壁がなくてもこもり人2




*目にやさしい背景色を使用*











家にずっといるから、こもり人?

そんなことない。

場所とかずっととか、かんけいない気がする。








< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き

2.壁のない家の、床のはしで

3.よこになったり、あぐらをかいたりして

4.汗をながして魚がとりたい

5.高まる期待

6.突き落とされた

7.どこへいこうが、オレなんて

8.まとめ








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

リッ君は、話しやすい25才ぐらいのお兄さん。

久しぶりに会ったリッ君は、痩せてた。

元気がなかった感じだったんだってばぁ。

リッ君、だいじょうぶかな?


















2.壁のない家の、床のはしで

葉をふいた屋根を、四隅とそのあいだの柱がささえています。母屋の床ぜんたいにヤシの葉をあんだマットがしかれ、そのはしにリクの曽祖父母が、明るい外を背にして、ならんであぐらをかいています。

曽祖父がマングローブの木からつくった重い道具をふりおろし、もう一方の指先でつまんだヤシの実の皮をたたきます。

皮はしばらく海水につけてから乾燥させ、ふりおろされる道具が茶色い粉を飛ばし、繊維だけが残りました。

それを曽祖母が、まえにだした一方の足のスネにこすりつけ、紐をよっています。

ドスン、ドスン、と重たいひびきが床をつたわりました。

反対側のはしにリクが、よこになっています。










 







3.よこになったり、あぐらをかいたりして

軒先にたったリクの母親が腰をおって、母屋のなかへ顔をむけました。

「リク、井戸から水をくんできてくれる。魚をあらうから、かけてほしいのよ」

ドスン、ドスン、と重たい音がひびいています。

リクの兄が軒先をあるきながら、母屋でよこになるリクに声をかけます。

「林で皮をむいてくる余裕がなかった。明日この木で離れを修理するから、皮をむいといてくれ。オレはもう一度、材料をとりにいく」

スッと起きあがったリクが、作業にとりかかります。

どれもかんたんにすみ、リクは一日のほとんどを、床のすみによこになるか、敷地のうらのヤシ林へはいったところに、林のおくへむき幹を背にしてあぐらをかいていました。

母屋からヤシ林へ、重たい音がひびきました。

 
















4.汗をながして魚がとりたい

スラッとのびる幹がたちならび、高いところで放射状にひらくヤシの葉のあいだからさしこんだ日が、下草を明るくてらしていました。

そこへ視線をなげてリクが、幹を背にあぐらをかいています。

≪どうしてだれもオレに、文句をいわないんだろう。男として、役立たずそのものなのに……≫

林のおくの方から、子どもたちのあそぶ声が聞こえてきます。

≪漁にでないのに、オレに魚介をたべるように勧めてくれて……。そりゃあ、きらいじゃないから食べるけど、うまくない……≫

子どもたちの声が、大きくなりました。

≪汗をながして自分でとった魚は、うまいだろうなぁ……≫

すっぱだかの子どもたちが、リクのまえを走りすぎます。

 
















5.高まる期待

東の空から星がきえたようで、ヤシの木にかこまれた敷地が光を帯びます。

母屋であぐらをかいたリクの曽祖母が、自分の息子のリクの祖父のほうへ、からだをたおしました。

「おじいさん、体調がわるいみたいなの。今日はおまえが、ヤシの実の皮をたたいてちょうだい。離れの修理をするのに、必要なの。はやく紐をこしらえないといけないの」

よこになったままボーッとしていたリクが、胸の内をざわつかせます。

≪漁から兄さんがかえったら、離れをなおすってことは、おじいちゃんは今日、漁にいけないことになる……≫

リクが目をパッ、と大きくしました。

≪兄さんはどこだ。用をたしにいったのかな? かえってきたらオレをかわりに、漁へつれていくようにたのんでみようか……?≫

リクがかんがえました。

≪いや、ぎゃくにオレが漁へいくように、兄さんからたのまれるはずだ。そうだ、たのまれるにきまってる≫

リクがまたからだをまわし、外をむきました。

 
















6.突き落とされた

リクが視線を、隣家とのあいだのヤシ林へむけています。

リクの兄がもどり、妻から事情を聞きました。

「紐をつくってもらわないと、こまる。それじゃあ今日は、おまえがいっしょに漁にくるんだ。なぁに、心配ない。なんどかやってるから、だいじょうぶだ」

リクは全身がふるえる思いでした。

なんかいしかやったことがなくても、オレより義姉さんのほうが、つかいものになるってことなのか。そこまでオレは――≫

リクがうつ伏せになり、額のしたに手の平をかさねました。

その瞳からなみだを落とします。

 
















7.どこへいこうが、オレなんて

リクが床のすみでよこになって膝をかかえ、隣家のほうへ視線をなげています。

ヤシの木やそのあいだが、日が西へかたむいたのをつたえていました。

母屋の反対側の軒先にマットをしいて、家族が食事をとりはじめ、車座になる母親がリクに声をかけました。

「どうしたの、たべないの? 午前もたべなかったじゃない。具合がわるいわけじゃないでしょう。はやくきなさい」

リクがたちあがり、軒をくぐって外へでました。

「リク、どこへいくの。たべてからにしなさい」

リクは足をとめません。








8.まとめ







こんにちは、どふぁらずら。

壁がなくても、こもり人。

リクのこもる気持ち、わかるずら。

このつづきは、こっちずら。

・死にたい >




おっと!

長いことこもってると、筋肉が落ちるずら。

・全身を使って >








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