たいせつなのは、子どもの気持ち。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き
2.暴力を目にするより、こわい
3.ケンカがおわっても
4.安心だから、成長できるのに
5.普通にできなくてつらい
6.さみしさや暴言の影響
7.まとめ <子どもはぜったいに守る>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
島の家は、屋根を柱がささえてるだけだから、声が外へきこえてくる。
子どもたちが、おどろいて足をとめる。
小さい子は、たったまま耳をふさぐ。
もっと小さい子は、耳をふさいでしゃがみこむ。
お父さんとお母さんのケンカ、こわいんだってばぁ。
2.暴力を目にするより、こわい
四方から家のなかへ光がはいりこみ、怒鳴り声が外へでていきます。
「おまえがつくる飯なんか、まずくて食えるか――」
「なによ、漁へいったって、ろくに魚を獲ってこないくせに――」
床ぜんたいに、ヤシの葉をあんだマットがしいてありました。
腰に茶色い布をまいた夫と、茶色い服をダボッときた妻が、むかいあって立っています。
両親の暴言がとびかい、ふたりから少しはなれて立つルルが、一歩さがりました。
≪ぼくはもう10才だけど、こわい。暴力は受けたことがなければ、痛みがわからない。だけど、怒鳴り声は、強い言葉は、こわい。足がふるえそう。立ってるのがやっとだ……≫
もう半歩、さがります。
≪もしも言葉のわからない、小さな子だとしても、言い方がこわくて、おびえる≫
3.ケンカがおわっても
ルルが立ったまま目を大きくして、体をかたくしています。
父親がどなり、母親に背をむけてあぐらをかきました。
声をあらげた母親が、床のはしへ歩いて外をむいてすわりました。
ケンカがおわりました。
両親につられるようにルルが、腰をおろします。
ひざをかかえてすわり、額をひざにつけました。
≪お父さんもお母さんもまだ、ものすごく怒ってる。こわいのがつたわってくる……≫
4.安心だから、成長できるのに
「このオオバカヤロー、だれがそんなこといった」
「ふざけるんじゃないわよ、この大ウソつきが――」
ルルが立ったまま、口を半分ひらいています。
≪しょっちゅうこんなケンカみてたら、頭がおかしくなる……≫
両手で耳をふさぎました。
≪ふたりとも怒ってばっかりで、ぼくはどうでもいいみたいだ。ぼくって……。ぼくなんて……≫
さみしくて不安になります。
5.普通にできなくてつらい
お母さんがルルにいいます。
「お父さんが帰ってきたら、ルルの担任の先生が、夕方くるっていいなさい」
「うん、わかった。ぼくちゃんと、お父さんにいうから」
そう答えたルルが、心のなかでつづけました。
≪ぼくがいい子にしてないから、お父さんとお母さんがケンカするんだ。いい子にしなきゃ≫
ルルからお父さんが、伝言をききました。
「お母さんにいってくれ、おれは林へ作業にいくから、お母さんがかわりに先生と話すように」
ルルは肩に力をいれてきいていました。
≪いい子に、いい子にしないと……。普通にできなくてつらい――≫
6.さみしさや暴言の影響
小学校の教室は、葉をふいた屋根のしたです。
「先生、ぼくなんか気持ちわるい」
登校したルルは、職員室でうずくまっていることが、多くなります。
「ルル、どうしたのかしら?」
心配した先生が、ルルのノートをめくっていきます。
授業でえがいた絵をみつけました。
両親が異常に大きく、そのあいだに立つルルが、とっても小さくえがかれています。
「たいへん、重症だわ。ルルが、くるしんでる。家に居場所がないのよ」
7.まとめ <子どもはぜったいに守る>
こんにちは、どふぁらずら。
子どもをたいせつにしない親が、夫や妻にとやかくいう。
そんなの、へんずら。
子どもは、ぜったいに守るずら。
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