学校で子供の仲のいい子が、そうだったりするのかもしれません。
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き <家族の助けになるのは、あたり前>
2.えらいねぇ・だけど、遊びにいけるもん
3.つらいねぇ・遊びにいけない
4.きのどくにねぇ・いつまで面倒をみるんだろう?
5.健やかな子供たち
6.まとめ <普通になって気づかない>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <家族の助けになるのは、あたり前>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
家族の助けになるのなんて、
島では、あたり前なんだってばぁ。
なんなの、ヤングケアラーって?
ぼくは、そんな言葉しらない。
だけど、
集落にも、そんな子がいるみたい、
かわいそうだってばぁ。
2.えらいねぇ・だけど、遊びにいけるもん
女の子のキリは、タウパのクラスメートです。
すっぱだかで赤ちゃんをだっこして、母屋の床を歩いています。
となりのおばさんが、葉をふいた屋根の軒先に立ち、膝に両手をついて、家のなかへ顔をむけます。
「あらっ、じょうずにあやして、キリはお手伝いができて、いい子だねぇ」
キリが、笑顔をおばさんにむけました。
「お母さんいるかい、塩があったら、少しかしてほしいんだけど」
「トイレにいったから、すぐに帰ってくると思う」
男の子のルイトが、おばさんの横に立ちました。
「キリ、林へいこうよ、みんな遊んでる」
床に一面にしいたヤシの葉をあんだマットを、足がふんだ音がしました。
キリが、ふりかえります。
「お母さん、おばさんが塩ないかって、わたし遊びにいく」
お母さんが、赤ちゃんをだきあげました。
「ルイト、いこう」
家の手伝いの犠牲になっていないキリは、ヤングケアラーではありません。
3.つらいねぇ・遊びにいけない
小学校からタウパといっしょに、集落へ帰ってきました。
女の子のナケラが、頭をさげて母屋の軒をくくり、家のなかへ入りました。
床にしかれたヤシの葉をあんだマットに、お母さんがだいていた男の子をおろしました。
「よかったわ。もう少しおそかったら、明るいうちに帰ってこられないわ。この子をみてて、わたしは、屋根にふく葉を集めてこないといけないの。お父さんも暗くなる前には、漁からもどると思うから」
1才になった弟の前に、ナケラがあぐらをかきました。
軒先に、男の子のウングがたち、体を前におって顔を家のなかへむけます。
「ナケラ、半島の先へいこうよ。みんな、海で遊んでる」
ナケラが申し訳なさそうに、まゆをよせました。
「いけない。弟をみてないと」
「今日もなの?」
「あしたもあさっても、この子が大きくなるまで、いけないと思う」
家の手伝いの犠牲になっているナケラは、ヤングケアラーです。
4.きのどくにねぇ・いつまで面倒をみるんだろう?
女の子のネイラは、6年生です。
制服の茶色い短パン姿で、母屋へ入りました。
お母さんが、ほっとしたような表情をします。
「ちょうどよかった。お姉ちゃん、トイレにいきたいって、つれていってあげて。私は紐にするヤシの実のかわを、海へ埋めにいかないと、はやくしないと潮が満ちてきちゃうわ。トイレから帰ったら、お姉ちゃんの体を井戸のお水で洗って、そのあとお姉ちゃんご飯をたべるから、そばについててあげるのよ」
知的障害の姉の面倒をネイラがみます。
島には電気がないので宿題は、明るいうちか、朝起きてからします。
≪朝もお姉ちゃんがいるし、宿題、またできそうにないな……≫
ネイラが心のなかで言いました。
家族の犠牲になっているネイラは、ヤングケアラーです。
5.健やかな子供たち
ルイトにさそわれたキリは、ヤシ林に入り幹のあいだを走ります。
人が歩いてできた道からはずれ、足を前後に大きくひらき、草むらを飛ぶように走りました。
「みんなどこにいるの?」
ルイトがチラッ、と顔を横へむけます。
「もう少しいったら、みんないるよ。しばらく遊ばなかったら、その木が大きくなってて、のぼるのおもしろいんだ」
高くのびた幹の先で、傘をひらいたようなヤシの葉が、青空をすかしています。
足元では草のあいだを、野ネズミが走っていました。
ルイトとキリの足とそろえるように地面をけり、いっしょに木登りをしにいくようです。
6.まとめ <普通になって気づかない>
こんにちは、どふぁらずら。
子供が犠牲になってる。
子供はもとより親も、それが普通になって、
気づかない!
まわりの人が気づいて、学校に一報するずら。
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