自分の気持ち、相手につたわってるって、思うことがある。
わかってくれてると、いいよね。
本文は:物語風に4分(大人3分)
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <言われなくても、わかりたい>
2.大すきだから、ずっとみていたい
3.だれにもなにも言われない、場所から
4.お母さんはお見通し
5.いる場所がわかっても、気持ちがわからない
6.みつめても、つたわらない
7.すいつこうとしても
8.すいついたら、おこられた
9.言葉にしてやっとつたわった
10.まとめ <親子でも、ちゃんと言わないと、つたわらない>
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <言われなくても、わかりたい>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
どふぁら兄ちゃんの、うなるのが、
ぼくは、なんて言ったかわかる。
でもそれは、うなってくれるから。
うなってくれなくても、どふぁら兄ちゃんの思いが、
わかりたいってばぁ。
2.大すきだから、ずっとみていたい
葉っぱでつくった屋根の下でした。
ゆかに、ヤシの葉をあんだマットが、しいてあります。
そのはしに、5才の女の子のセアちゃんが、うつぶせになっていました。
あごを、りょう手でささえ、お母さんをみつめています。
ゆかの反対がわのはしに、お母さんがあぐらをかいています。
ねむるのにつかうマットをあもうと、葉をほそく切っていました。
お母さんが、顔をあげました。
「セア、そんなところで、なにしてるの?」
3.だれにもなにも言われない、場所から
ヤシの木のあいだに、草がはえていました。
草にうもれているようです。
セアちゃんが、うつぶせになっています。
≪ここならお母さんに、なにも言われない≫
葉でつくった屋根の下に、家のなかがみえます。
お母さんが、葉を持って作業をしていました。
セアちゃんは、まばたきをわすれたようです。
≪ずうっと、ずうっと、お母さんをみていたい≫
セアちゃんの顔のよこの草が、風にちいさくゆれています。
4.お母さんはお見通し
葉を持った手をおろし、お母さんが家のそとへ顔をむけます。
「セア、ほ育園でしょう。そろそろよ」
おどろいたセアちゃんが、顔をあげました。
≪お母さん、ここにいるの、しってたんだ!≫
つづけてお母さんの、口がうごきます。
「バッタさん、それともアリさん。なにをみてるの?」
セアちゃんが、立ちあがりました。
母屋へあるきます。
5.いる場所がわかっても、気持ちがわからない
お母さんがダボッとした、茶色い服をきています。
葉をおいたお母さんのひざのうえに、セアちゃんがのりました。
お母さんの首にりょう手をまわし、ギュッとくっつきます。
お母さんが、うれしそうな目をしました。
「草むらで、バッタさん、なにしてた?」
体をひいたセアちゃんが、首をよこにふります。
「ちがう、バッタでもアリでもない」
お母さんが、ほほえみました。
6.みつめても、つたわらない
お母さんのひざのうえです。
セアちゃんが、お母さんにむけた目を、大きくしました。
じっとお母さんをみます。
「これで、わかったでしょう」
「なにが?」
「えっ! わからないの?」
セアちゃんが、口をギュッとむすび、お母さんをみつめます。
「そんなにみたら、お母さんの顔に、あながあいちゃうわ」
お母さんがりょう手を、セアちゃんのわきの下にいれました。
「さぁ、おりて、ほ育園にいきましょう」
7.すいつこうとしても
セアちゃんが、お母さんのひざからおりません。
「いやだ、いやだ。じゃあ、これだったらわかる?」
セアちゃんが口を、とがらせました。
「そんな顔して、お口がもどらなくなって、そんな顔になっちゃうわよ」
セアちゃんが口をとがらせたまま、目を大きくしてお母さんをみつめます。
「それじゃあ、ビックリした、タコさんみたいじゃない」
8.すいついたら、おこられた
「さぁ、セア、ふざけるのはもう終わりにして、ほ育園にいくわよ」
セアちゃんが、いきおいよく顔を、お母さんにくっつけました。
とがらせた口が、ほっぺにすいつきます。
「悪ふざけは、いいかげんになさい――」
お母さんがおこり、セアちゃんがなきだしました。
セアちゃんが、りょう手で顔をかくします。
「そんなに大きな声でないて……」
お母さんが、まゆ毛をよせました。
「強い言いかたをして、お母さんが悪かったわ」
9.言葉にしてやっとつたわった
「さぁ、セア、ほ育園、すきでしょう。おともだちや先生と、あそぶんでしょう」
なき声がやみ、セアちゃんが顔から、りょう手をおろしました。
「お母さん、どうしてわからないの……」
とぎれとぎれに言います。
「バッタや、アリじゃなくて、お母さんを、みてたんだよ。大すきで、大すきで、ずっとみてたくて、大すきだから、すいついたのに――」
お母さんの口が、ポカンとひらきました。
「あらっ、そうだったの……」
10.まとめ <親子でも、ちゃんと言わないと、つたわらない>
こんにちは、どふぁらずら。
思い。
相手がわかってくれたら、それはそれは幸せずら。
んだが、
親子でさえ、ちゃんと言わないと、つたわらないことがある。
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