やる気を取りもどすって、けっこうたいへん――。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <認めてくれないから>
2.元気なヤシの葉
3.気持ちよさそうな雲
4.ちがう風
5.背中をおしてよ
6.走りだす
7.まとめ <たっぷりやすんで、動く>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <認めてくれないから>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
やる気、なくなるってばぁ。
だって、
一生懸命にやっても、やっても、認めてくれないんだもん。
挑戦なんだから、失敗はあたりまえっていうけど、
いいかげん、いやになるってばぁ。
💦 ルビ付ですが、失敗はあたりまえのページは、こっち >
2.元気なヤシの葉
ヤシの木がなん本も、空へむけてのびていました。
草むらに仰むけになって、頭のうしろで手のひらを重ねています。
ほそい草の先をゆらす風が、タウパのほほをなでていきました。
≪やさしいなぁ、風。高いところはヤシの葉が、あんなにゆれてるのに……≫
草のあいだにあったニワトリの巣から、拝借した玉子をふたつ、お腹にのせています。
≪青い空をすすむ雲って、風をおいかけてるみたいだ……。ヤシの葉も雲も、元気があってすごいなぁ……≫
タウパが心のなかでいいました。
3.気持ちよさそうな雲
タウパの友だちのリンが歩いてきます。
「タウパ、やっぱりここか。昨日もおとといもその前の日も、小学校にこないから――」
タウパのお腹から玉子をひとつ取って、タウパとならんで寝ころびました。
「いったい、どうしたんだよ」
自分のお腹に玉子をのせ、りょう手を頭のうしろにいれました。
「タウパらしくないじゃないか――」
タウパが目を空へむけたまま、のんびりした言い方をします。
「みてよ、ヤシの葉っぱも雲も、気持ちよさそうだってばぁ……」
4.ちがう風
リンがタウパに顔をむけました。
「タウパ、なにいってるの? どうしたっていうんだ」
タウパが片手を頭のしたからだし、人さし指をなめて、それを空へむけてのばしました。
「こことヤシの葉をゆらしてる風は、おなじだよね」
リンがヤシの葉へ視線をとばします。
「だったら、なんだっていうんだよ」
「でもさ、その風と雲がおいかけてる風は、ちがうよね」
リンが、いきおいよく顔をよこへむけます。
「タウパ、だいじょうぶ――」
5.背中をおしてよ
人さし指ののびた腕が、空へむいたままです。
「すごいよね。葉っぱも雲も……」
言葉をそっと風にのせるようでした。
「気持ちよさそうで、いいなぁ……。ここをふく風とおなじでも、雲のおいかける風とおなじでも、どっちにすすんでもいいから、ぼくのことを押してくれたらいいのに……」
リンが自分のお腹から、玉子をとりました。
「タウパ、ぼくがいっかい、殺してあげる」
リンが玉子を、タウパの額にぶつけます。
「いたっ、いたいなぁ」
6.走りだす
リンがりょう手を空へかかげ、ひびのはいった殻をわります。
「玉子、うまつ――」
手のこうで口をぬぐいました。
「よし、ぼくも」
タウパが玉子を持って、おきあがります。
「いてっ、玉子の殻ってかたい」
リンがおでこをこすり、タウパが空をあおいだ顔のうえへ腕をのばし、玉子をわりました。
「ほんとだ、おいしい」
タウパが立ちあがります。
「よし、走ろうリン、はやく――」
「いきなり、なんなんだよ」
リンがタウパをおいかけて、草むらを走りだしました。
「動かなきゃ、動きださなきゃ。やる気を取りもどさないと――」
タウパの発した声が、風をおいかけるようです。
7.まとめ <たっぷりやすんで、動く>
こんにちは、どふぁらずら。
腑抜けたら。
やる気、取りもどすずら。
思う存分、やすむ。
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