仲間はずれなんてかんけいない:強い思い

 


- この(いろ)はいけい 👀()にやさしいからね -











ぜったいに、そうなってほしいから。

仲間(なかま)はずれになっても、つらぬく。








本文は:物語風に4分

<ふりがな> 小学3年生~


もくじ

1.タウパの前書き

2.引っこしなんて、いやだ

3.新しいしょう学校

4.だれともあそばない

5.それまで、あそばない

6.おまえなんかに、なにがわかる

7.お父さんの言葉

8.まとめ <思いをつらぬく>








それじゃあ、物語(ものがたり)みたいに、いくよ















― そこは、さんご(しょう)にかこまれたのしげる(しま) ―








1.タウパの前書(まえが)


もしもぼくだったら、やっぱりおなじようにするかも。

だって、

(とも)だちに(はな)す、気持(きも)ちのよゆうなんてないだろうし、

いうと、(かえ)ってこなくなる()がして、こわいのもあるんだと(おも)う。

トールは、3年生(ねんせい)(おとこ)()

かわいそうなんだってばぁ。



















2.()っこしなんて、いやだ

(あお)くしずかな(うみ)が、ひろがっています。

すなはまにトールが、ひざをかかえてすわっていました。

≪お(とう)さん、ひとりでカヌーに()って(さかな)をとりにいったきり、いったいなん(にち)()てば、(かえ)ってくるんだ……≫

(かあ)さんが、(よこ)にたちました。

「トール、お(とう)さんが(うみ)にでてから、2か(げつ)になるでしょう。お(かあ)さんとトールは明日(あした)、ここをでるわよ。お(かあ)さんがここへお(よめ)にくるまえに、()んでいたお(うち)にうつるの。()こすのよ」

「いやだよ。お(とう)さんが、まだじゃないか――

「しんぱいないわ。ふたつ(さき)集落(しゅうらく)だから、お(とう)さんがもどってきたら、すぐにわかるから」

トールが、ふ(あん)そうな()をしています。


















3.(あたら)しいしょう学校(がっこう)

教室(きょうしつ)は、()っぱをかさねた屋根(やね)のしたでした。

黒板(こくばん)のまえにたったのは、(おんな)先生(せんせい)です。

「はい、今日(きょう)はみんなの(あたら)しいお(とも)だちを、しょうかいします。トール(くん)です。これからみんなといっしょに勉強(べんきょう)したり、あそんだりするから、なかよくしてあげてね」

()どもたちが、あぐらをかいています。

「トール、やすみ時間(じかん)になったら、ぼくたちといっしょに、校庭(こうてい)でヤシの()をけってあそぼうよ」

「わたしたちといっしょに、カニをつかまえにいかない? 教室(きょうしつ)のうらの(はやし)に、たくさんいるから」

「はい、みんなしずかに、それじゃあトール(くん)、そこにすわって」



















4.だれともあそばない

じゅ(ぎょう)とじゅ(ぎょう)のあいだの、やすみ時間(じかん)でした。

「もう転校(てんこう)してきてから、1か(げつ)もたつのにトール、なんなんだよ、ぼくたちがさそっても、ぜんぜんあそばないじゃないか」

「そうよ、しょう学校(がっこう)にいるあいだだけじゃなくて、集落(しゅうらく)(かえ)ってからもよ」

「それだけじゃない。しょう学校(がっこう)のやすみの()だって、すなはまにすわって、(うみ)ばっかりみてる」

「へんなやつ」

「もう、さそうのやめましょうよ」

「そうだな」

トールが、きらわれました。


















5.それまで、あそばない

そこは、(ひと)のあまりこない、すなはまでした。

トールが、(うみ)にしずむ太陽(たいよう)をみています。

≪お(とう)さん、あとどれだけ()てばいいの……≫

(おお)きなオレンジ(いろ)太陽(たいよう)です。

≪いつになったら、もどってきてくれるんだ……≫

太陽(たいよう)のはしが、(うみ)にふれました。

≪ぼく、もどってくるまで、あそばないから。あそぶと(たの)しいから、いつのまにか、お(とう)さんのことわすれてる。そうすると、お(とう)さんが(かえ)ってくるのが、おそくなる()がして……≫

(うみ)のうえを、オレンジ(いろ)(ひかり)のすじが、むかってきます。

≪あそぶのなんて、どうでもいい。だからお(とう)さん、はやく(かえ)ってきて≫


















6.おまえなんかに、なにがわかる 

(おとこ)()がトールをすなはまに、つきとばしました。

「トール、おまえ、なまいきなんだよ、さそってもあそばないで――」

トールのおなかにのって、()でりょう(かた)をおさえます。

「おまえみたいなやつは、こうしてやる」

その()を、トールの()がはらいました。

「うるさい、うるさい、うるさい」

トールが(おとこ)()を、はねのけます。

「おまえなんかに、なにがわかる。なんにもわからないくせに、おまえなんかあっちいってろ――」

トールが(おとこ)()にせなかをむけて、(ある)きだしました。


















 7.お(とう)さんの言葉(ことば)

(うみ)(あお)くかがやいています。

ひざをかかえてすわったトールが、(おも)いだします。

(とう)さんが、カヌーに()って(さかな)をとりにいく、(あさ)のことでした。

カヌーの(よこ)にたってお(とう)さんが、トールに(かお)をむけます。

「トール、おまえは、なにが()べたい?」

「マグロ――」

トールが、元気(げんき)よくこたえます。

「ぼく、マグロがたくさんたべたい」

(とう)さんがトールの(あたま)に、()をおきました。

「そうか、マグロか。お(とう)さんにまかせとけ」

トールがお(とう)さんを、みあげています。

「おまえは、やさしい()だからな。(たの)しみに()ってるんだ」

 (とう)さんがさいごに、トールにいった言葉(ことば)でした。

トールの()から、なみだがこぼれます。

≪お(とう)さん、ぼく、(たの)しみに()ってるから。ずっとずっと、()ってるから……≫








8.まとめ  (おも)いをつらぬく>







やぁ、どふぁらずら。

仲間(なかま)はずれ、なんてかんけいない。

(おも)いをつらぬく。

その(おも)い、きっとかなうずら。

(ねん)ちかくたって、(かえ)ってきた漁師(りょうし)だっているずら。




おっと!

ほんでもって、こんな()がきっとくるずら。

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