< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.働き者
3.旦那を立てて、やさしい
4.子どもの、めんどう見がいい
5.ののしるほどの短所
6.短所を受けいれる
7.やわらかさの勝ち
8.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
愛って、ぼくにはまだ、わからない。
どんなのを、愛っていうんだろう。
楽しみなんだってばぁ。
2.働き者
「朝はやくから林にはいって、屋根材にする葉をたくさんあつめてきて、食事をしたと思ったら、休みもしないでまたいくのかい?」
「お義母さん、ちがいます、こんどは海です」
外へでた嫁のスバが、腰をまげて母屋のなかへ、顔をむけました。
「雨がもるまえに屋根材をこうかんするとしても、今ある紐だけでは足りませんから、紐をよる繊維の準備をしないと。ヤシの実のかわをうめてきます」
「だからって、働きすぎじゃないのかい?」
「だって、潮が満ちてきちゃいますから」
3.旦那を立てて、やさしい
魚をいれた布の袋をかついだ旦那のキナスが、敷地へはいりました。
そのあとをおって妻のスバが、小走りします。
「おかえりなさい。たくさんとれたみたいね。すぐに魚をあけるマットを用意しますから」
「おまえはどこへいってたんだ?」
「干潟をほって繊維をうめました。すぐに魚をさばいて、火をとおしますから。それとも生魚も用意しましょうか? あなたは、子どもたちといっしょに、待っててください」
4.子どもの、めんどう見がいい
母屋の屋根がつくる影に、ヤシの葉をあんだマットをしきました。
パンの実と焼いた魚、ヤシの果肉で、食事をとります。
あぐらをかいたキナスが、立ちあがったスバに顔をむけました。
「スバ、おまえは食べないのか?」
「子どもたち、みずあびさせて体をあらいましたから。あと、おねがいしますね。わたしは暗くなるまえに、子どもたちの新しい寝具のための葉をつくります。もうずいぶん薄くなってますから、切れるまえにあまないと」
「そうか、子どもたちには、ちゃんと食べさせるから、しんぱいするな」
5.ののしるほどの短所
母屋の床に、厚手の葉であんだ寝具をしいてねむりました。
目をさましたキナスがあぐらをかき、スバが軒をくぐってはいってきました。
「あなた、夕べとってきたロブスター、どこにおいてあるんですか?」
「夕べは会合だったんだ、漁になんていってないぞ」
「なにいってるの――。ロブスターとりにいくっていって、でていったじゃない」
「それはスバのいつもの、思いこみだ」
「わたしにウソをいったのね。わたしをだまして、どこで油売ってたのよ」
「そんなにムキになるな」
「人間のクズ、ろくでなし、やくたたずが。どこへいくのよ、ちょっと、にげげるの――」
6.短所を受けいれる
母屋からでたキナスが、枝葉が頭上をおおう道にでました。
「おう、キナス、聞こえたぞ、相変わらずでっかい声だな、奥さん」
「おお、避難してきたんだ。漁の道具をもってきたから、いっしょにどうだ」
「しかし、おまえよく我慢してるな、あんなにののしられて。あんな嫁だったら、おいだされて当然だぞ。おまえ、弱みでもあるのか?」
「そんなのない。あいつ思いこむと、それがぜったいに正しいんだ。いくらいってもきかない。ムキになるだけだ」
「たいへんだなぁ……」
「決定的な短所だ。それに本人がむきあえるようになったらいいんだが……」
7.やわらかさの勝ち
漁からもどったキナスが食事を終え、母屋のゆかにあぐらをかきました。
上半身をまえにたおし、顔を屋根の外へむけます。
「スバ、その作業の手をとめて、こっちへこい」
「どうしたっていうんですか、いそがしいんですから」
「ここにあぐらをかいてくれ」
「まったく、なんなんですか」
「すこしやすませろ」
キナスが横になり、スバの太ももに頭をのせました。
≪この足が、さいこうにいい。なぁに、働き者で気がきくし、子どものめんどう見もいい、それでもって、この足のやわらかさだ。短所くらいなんだってんだ」
8.まとめ
ものすごい短所。
それをうわまわる長所。
愛っていいずら。
おっと!
こっちも愛ずら。
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