こにくたらしくなっても、腐っちゃいない心。
守ってあげよう。
＜ 本文は：物語風に３分 ＞
目次
１．タウパの前書き
２．反抗
３．おこるお母さん
４．安息の場
５．海をはしって
６．海原の不安
７．手がうごかない
８．大すきなお兄ちゃん
９．まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
しげる島 －１．タウパの前書き
こんにちは、島に住む１０才のタウパです。
ぼくも、もう少し大きくなったら、
反抗期っていうのが、くるのかな？
ちょとだけ、ワクワクしちゃうってばぁ。
お母さんに、悪い口きくの。
２．反抗
葉をふいた屋根を柱がささえる、壁のない家の外が、明るくなってきました。
「寝てられないじゃない。まったく、くさいわねぇ」
起きあがったお母さんが、娘の寝具の葉をあんだマットのほうへ、りょう手をつきました。
「ルーロン、あなた６年生なのよ。また、おねしょをして、いいかげんにしなさい――」
ルーロンが目をこすりながら、上体を起こしました。
「うるさいなぁ、まだ、寝てるんだから。なんなのよ――」
ふてくされた言い方でつづけます。
「おしっこにいくのが、めんどうくさいからに、決まってるじゃない。こんなのマットを干せばいいでしょう」
💦 反抗期のまえのルーロンは、こっち ＞
３．おこるお母さん
お母さんが立ちあがり、それにむくようにルーロンが立ちました。
「あなたって子は、ひらきなおってるんじゃないわよ」
「ほんとうのことをいっただけよ。うるさいなぁ」
「親にむかって、その口のきき方は――、あやまりなさい」
ルーロンがその場をはなれます。
「ちょっと、どこへ、いくの――」
「小学校にきまってるでしょう」
ルーロンが腰をかがめて、軒をくぐりました。
「まだ、はやすぎるじゃない。まちなさい――」
４．安息の場
海に入って体をあらったルーロンが、林をあるき高いヤシの木にあがりました。
若い葉がまっすぐ空へむかい、それに背をむけて、少しうえへむいた葉の芯を、足のあいだにいれて座ります。
「ふぅ～」
息をはきだしました。
上半身をまえにたおし、芯に身をゆだねて目をつぶります。
かさねたりょう手に、ほほをのせていました。
太い芯のりょうがわに細長い葉がならび、葉のこすれあう音が、ルーロンをつつみます。
風が木をおし、ゆりかごのようで、ねむりにさそわれました。
５．海をはしって
潮が引くとみわたすかぎり、白い砂の干潟になる海です。
まだ海水がのこっていて、そこを仲よしの犬とルーロンが、はしっていました。
茶色い犬がとびあがり、ルーロンがわらいます。
「いやだトロ、じょうず、じょうず。そんなに水をはねあげて――」
ルーロンが蹴りあげた海水が、白くかがやきました。
トロがルーロンに飛びかかります。
「いやだ、おもいよトロ、ころんじゃうじゃない、も～」
ルーロンが背中からたおれ、その胸にトロがだきついたままです。
「も～、なめないで、いやだ、くすぐったい」
わらい声が広々とした空間へ、きえていきました。
６．海原の不安
トロが姿をけし、ルーロンはひとりカヌーに乗っています。
あぐらをかいたりょう膝が、海のうえへでていました。
波のないおだやかな海原を、風に背中をおされるように、しずかに進んでいます。
ものすごい胸騒ぎがし、おさまりません。
りょう手を胸にあてました。
兄のズーズがいなくなっている。そんな意識が強くしょうじます。
いっしょにカヌーに乗っていたはずなのに……。お兄ちゃん、どこ、どこなの、お兄ちゃん。
不安におそわれました。
７．手がうごかない
お兄ちゃん帰ってきて、おねがい。
ルーロンが胸にあてたりょう手を、にぎりしめました。
兄のズーズが、ルーロンにむいたまま、海にしずんでいきます。
ルーロンにむかって、片手をのばしていました。
ルーロンが手をのばそうとしますが、手がうごきません。
必死に腕を、うごかそうとします。
お兄ちゃん、まって、まって、まって、お兄ちゃ―――ん。
ズーズが深くしずんでいき、その先で大きなサメが、口をあけていました。
８．大すきなお兄ちゃん
ヤシの葉のうえでルーロンが、パッと目をあけました。
思わず芯の脇から、したをみます。
「どうして、お兄ちゃんが……」
つぶやきながら体を起こし、胸に片手をあてました。
胸騒ぎがします。
「お兄ちゃんに、なにかあったのかな？」
高いヤシの木から落ちる、ズーズを想像しました。
いそいでヤシの木からおります。
「いやだ、いやだ、いやだ、お兄ちゃんが死んじゃうなんて。ごめんなさい、神様、おねがいゆるして。もうお母さんにあんなこと、いいませんから」
９．まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
反抗しても、
やさしさは、かわらないずら。
おっと！
親を映しだすずら。
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