海にでて魚をとるのにつかうカヌーは、
大きいのでも、
大人がふたりぐらいしかのれない。
大きな足をした、ブアみたいな人がのったら、
ひとりでも、
しずんじゃうってばぁ。
2.島の赤ちゃん
家のあつまる集落のまえは、白いすなはまです。
そこにヤシの葉が黒っぽく、かげをおとしていました。
黒っぽい葉が風におされ、ゆれています。
そこにタウパとどふぁらが、海へむいてならんで立ちました。
「うん、わかるよ、あの海に平べったくある、白いすなだけの島でしょう」
「うううっ、ううう」
うまくしゃべれないどふぁらが、うなりました。
それがタウパには、なんていったかわかります。
「どふぁら兄ちゃん、しょう学校の先生におしえてもらったからって、いいたいのはわかるけど、あんな島がもっと大きくなって、ながれついたヤシの実が、めをだして木になったりして、この島ができたんでしょう。そんなこと、ぼくだってしってるし――」
どふぁらがすねたように、口をとがらせました。
3.とほうもないふしぎ
口をとがらせながら、どふぁらがかんがえます。
≪ヤシの実は海をながれてくるとして、この島のヤシの木のあいだに生えてる、何しゅるいもの木は、どうやってここまできたずら……≫
口をとがらせるのをやめ、うでを組みました。
≪タネが、ヤシの実や流木にのって海をわたってきたり、鳥がはこんできたりしたのかもしれないずら……≫
どふぁらが首をかしげました。
≪それにしても、あの白いすなだけの島に、みどりがしげり、人が住めるようになるまで、とほうもない年月がかかるずら……≫
4.しんじられないぐらい
「どふぁら兄ちゃん、だけどね、島に人がきてからは、そんなに長くたってないよ」
どふぁらが、タウパに顔をむけました。
「ううっ」
「な~んだ。それも先生からきいたんだ。そう1000年ぐらいまえに、人がたくさんのれる大きなカヌーで島にきたんだよ。ニワトリやブタや犬でしょう、それにパンの実やおイモを持って。そんなにはこべるカヌーは、ものすごいりっぱな木からつくったから、そんな木がはえてるずっと遠くのりく地から、くらしやすい場所をさがしてきたんだよ」
「ううううう」
「あたりまえじゃん。今、漁にでるときにつかってる、カヌーとおなじだよ。そのときだって、葉っぱをあんでつくった、めちゃくちゃでっかい帆に、風をうけてはしったんだ」
どふぁらが海へ、顔をむけました。
≪キャプテンクックが帆船にのって、世界の海をたんけんしたときより、ずっと、ずっとまえのことになるずら。島についてから、のこしてきた人たちを、むかえにもどったという。その人たちは、どれほどすぐれた航海じゅつを、持っていたずら……≫
どふぁらが、しんじられないとばかりに、首をよこにふりました。
5.むかしはまっくらな世界だった
よこからタウパが、どふぁらの顔をみあげます。
「ねぇそんな、じゅぎょうで先生がはなすことより、ブアのことをおしえてよ」
どふぁらが、あぐらをかいてすわりました。
そのまえにタウパが立ちます。
「だってこの島に人がきたとき、空も海もまっくらだったんでしょう」
どふぁらが鼻に、しわをつくりました。
「ブアは、人より先にこの島にいたってこと? それとも人より、あとからきたの?」
タウパが半歩まえにでました。
「岩にのこってるブアの足あとは、大人の足の10倍ぐらいだから、カヌーにのっていっしょにきたんじゃないよね。そんな大きな人がのったら、カヌーがしずんじゃうもん」
6.わからないからいい
タウパがまたまえにでて、どふぁらにせまります。
「ねぇ、なんとかいってよ。ブアがやっつけたわるいヤツだって、いつ島にきたのさ――」
どふぁらが、うでをくみました。
≪閉ざされたくらやみを切りさき、青い空と海のこの世界をつくったブアずら。ブアがどこからどうやってきたか、そんなのわかってたまるか――≫
どふぁらが、そっぽをむきました。
≪わからないから、夢があるずら≫
「うっ、うう」
「えっ、自分でかんがえろって、なにそれ。しってるならおしえてよ。ずるいってばぁ」
7.いるはずがないのにある
タウパの大きな声が、ヤシの木のあいだにきえていきます。
≪ブアの足あとがひとつだけ、島のはんたいがわの海べの岩に、しっかりのこってる。それをみたおいらは、ほんとうの足のあとにしかみえなくて、びっくりしたずら≫
どふぁらが目をつぶりました。
≪岩が2~3センチへこんで、指やかかとの形、土ふまずのかんじまで、それこそ人間の足そのものずら。人間じゃないのは、そのでかさずら≫
目をつぶったまま、首をかしげます。
≪そんな巨人、いるはずがない。それなのに足あとがある。かんがえたら頭がへんになるずら≫
8.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
でっかいカヌー・巨大な足あと。
タウパのいう、大人の足の10倍は、オーバーずら。
んだが、
カヌーにのって人がきたのも、岩についてるブアの足あとも、
どっちも、ほんとうずら。
おっと!
こっちは、言い伝えずら。
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