ここの暮らしは電気がない、それがふつう。
でも、けっこう勉強ができます。
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.目標があるから
3.きえていく星と競いあうように
4.身体も頭も準備ばんたん
5.みんなよりすこしはやく帰って
6.太陽が水平線にちかづきます
7.光りだす星と競争
8.星の明かりでもよめるけど
9.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ラボはぼくより、ひとつ年上の男の子です。
ラボみたいに、目標があるっていいってばぁ。
ぼくは、
こまってる人をたすけたい。
勉強すれば、そんな人になれるのかな?
2.目標があるから
島に暮らす人たちの頭のすみでは、いつも太陽がうごいています。
もうすこしで日がのぼるわ。そう感じて目をさまし、星明りのもと井戸で顔をあらいます。
「はい、お母さん、掃除をするんでしょう」
ラボがホウキの柄をむけました。
お母さんがりょう手で、顔の水をはらいます。
「あらっ、今日も海でおよぐの!? 毎日、よくがんばるわねぇ」
ラボが白い歯をみせました。
「だって大きくなったら、高校の先生になって、主島で暮らすんだもん」
離島に高校はありません。
ラボが海へあるきます。
💦 ラボが目標をもったページは、こっち >
3.きえていく星と競いあうように
星の明かりにてらされて、海にヤシ林がのったような島影が、弧をえがきながらつづいています。
そのむこうから太陽があがってきます。
ひと際高く成長した木の先でひらくヤシの葉が、うっすらと明るくなった空を背に、黒く映しだされました。
顔をつけて息つぎをしながらおよいでいたラボがたって、東の空をみつめています。
≪すぐに太陽がのぼってくる≫
心のなかでいって首をうしろにたおし、顔を空へむけました。
≪星がきえていく。よし、みんなきえるまでに、競争だ≫
振りかえっておよぎます。
4.身体も頭も準備ばんたん
砂浜をあがったところに、ヤシの木がたちならんでいます。
そのあいだを日差しをうけながらとおり、ラボが自分の家の敷地へはいりました。
≪よし、身体がシャンと目をさまして、頭がすっきりした≫
井戸水をかぶって潮をながします。
≪よし、これでノートに文字がかけるし、小学校から借りてきた本もよめる≫
母屋へはいり、ヤシの葉をあんだマットに、あぐらをかきます。
5.みんなよりすこしはやく帰って
小学校から帰ったラボが、海や林でみんなとあそびました。
「ごめん、ぼく先に帰るから――」
ラボがあそんでるみんなと別れ、家に帰ります。
火をつかう小屋の屋根をささえる柱のあいだから煙が外へながれ、ヤシの木のあいだに白くたちこめていました。
あぐらをかいて火の面倒をみていたお母さんが、ラボに気づきます。
「もう、もどったの! まだご飯、できてないわよ」
「わかってる。そのまえにすこし、本をよもうと思って。かえさないといけないから」
6.太陽が水平線にちかづきます
夕焼けがあたりを染めていました。
葉をふいた母屋の屋根の軒先に、ヤシの葉をあんだマットがしかれ、あぐらをかいたラボが、食事をとっています。
緑色の葉にのった魚から、白い身をはがして口にいれました。
別の葉にもられたイモを、ひとつとってたちあがります。
「あらっ、もうたべないの?!」
お母さんに、ラボが顔をむけました。
「おなかいっぱいだよ。海にはいるんだ」
つかんだイモをかじりながら、ヤシの木のあいだから浜へでました。
7.光りだす星と競争
波のないしずかな海でした。
おなかが海水をおす深さぐらいまであるき、そっとうしろにたおれ、あおむけになります。
太陽が水平線のむこうにしずみました。
≪あっ、ひとつ目の星が光った。よし、満天の星になるまでに競争だ。夕ご飯のまえに勉強したことを、ひとつひとつ思いだして、おさらいしなきゃ≫
ラボが目をつぶりました。
目をあけると夜空いっぱいに、星が光っています。
≪よし、もう1回、おさらいするぞ。あっ、星が尾をひいてながれた――≫
8.星の明かりでもよめるけど
ラボがしっかり目をひらき、星をみつめています。
≪離島とちがって主島には、電気っていうのがあるんだ……≫
島長として主島にいくことがある、祖父から聞きました。
≪ぼくらにかしてくれる本が、いっぱいならんだ家が、あるっていってた……≫
満天の星から光がふりそそぎます。
≪本は星の明かりでもよめるけど、もっと明るかったら、よみやすいんだろうなぁ……≫
ラボがりょう足を海底の砂に、そっとつけました。
≪あっ、また星がながれた。めちゃくちゃでっかい――≫
顔を空へむけながら、たちあがりました。
9.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
電気のない暮らし。
それでも、
やる気があれば、勉強するずら。
おっと!
宿題すら、やらないずら。
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